平成30年8月30日

スポーツ競技の誤審について

スポーツ競技のルールと誤審について考えてみよう・・

【岐阜】県岐阜商―大垣西戦の誤審で球審が「ごめんなさい」

7/16(月) 11:20配信

 

球審の場内説明を聞く県岐阜商・鍛治舎監督

◆第100回全国高校野球選手権記念岐阜大会 ▽2回戦 県岐阜商―大垣西(16日・大野レインボースタジアム)

【写真】昨夏は熊本・秀岳館を率いて甲子園に出場した鍛治舎監督

岐阜大会2回戦の県岐阜商―大垣西戦で、球審が誤審を認めて判定が覆り、場内に謝罪する一幕があった。

 4―3と県岐阜商1点リードで迎えた3回2死二、三塁。8番・市川幹也中堅手(3年)の打球は、一塁への低いライナー。

大垣西の一塁手はノーバウンドでの捕球をアピールし、一塁ベースを踏まずにベンチへ戻ろうとした。

 だが、打球を後ろから見ていた一塁塁審は、両手を広げてセーフとし「ワンバウンド捕球」の判定。

これを前方から打球を見ていた球審が「アウト」と判定し、球場は騒然となった。

 県岐阜商・鍛治舎監督らの抗議を選手が伝え、試合は一時中断。協議の結果「ワンバウンド捕球」の判定に覆り、県岐阜商に貴重な5点目が加わった。

 球審は「一塁塁審が『フェア』と言ったのを『アウト』と聞き間違えて『アウト』とジャッジしてしまった。ごめんなさい」と場内説明で謝罪。

手を耳に当てて聞いていた鍛治舎監督は、帽子を取り一礼し、試合が再開した。

審判の審判?柔道のジュリー制度とは?

 

大胆な一本背負いから細かい足技まで見ごたえのある柔道。

審判はそんな激しい技の応酬を正確に判定する必要がある。そこで導入されたのがジュリー制度だ。

今回は初めてこの言葉を聞く方に向けて、ジュリー制度を解説していく。

【目次】

ジュリー制度とは?ジュリー制度が導入された背景と導入後の問題篠原信一の誤審問題とビデオ判定ジュリー制度とビデオ判定の弊害2016年に新ルールの導入まとめ

ジュリー制度とは?

ジュリー制度とは、一言でいえば審判を監督する審判だ。これまで柔道の試合は主審1人と副審2人によって進行されていた。1994年に導入されたジュリー制度では、ジュリー(審判委員)で構成される審判委員会が設けられ、試合進行を行う審判を監督する。
国際柔道連盟の規定によると、ジュリーには試合を止める、審判団と協議するなどの権限がある。しかし、このジュリーの権限がどの程度認められるのか不明な点もあり、2013年からは後述する新ルールが試験導入されている。

ジュリー制度が導入された背景と導入後の問題

ジュリー制度が導入されたのは、これまでオリンピックなどの国際大会において、本来ならば自身のポイントであるにもかかわらず相手のポイントになってしまうなど、審判の判定を巡る騒動が多く見られたためだ。ジュリー制度導入後には、このような誤審が少なくなったが、「審判が一度判定を示して試合場を離れてから判定を変えてはならない」といった国際柔道連盟の審判規定と矛盾するなど、ジュリー制度そのものの問題点も見られるようになった。

篠原信一の誤審問題とビデオ判定

柔道の判定に関して日本でも大きく話題となったのが、2000年のシドニーオリンピック、柔道男子100キロ超級決勝の篠原信一の試合だ。この試合では主審による相手選手の有効という判断と副審による篠原さんの一本という判断に分かれたのだが、協議が行われずに試合を継続。最終的に有効1つの差で篠原さんが敗れることになり、先述の審判規定や、試合場外にいるジュリーがはっきりと状況を確認できなかったこと、あくまで審判に技の判定権があるなどの理由で、日本チームの抗議も認められなかった。
この誤審問題をきっかけとして、ビデオ判定が導入されることに。

3台のビデオカメラで3方向から撮影する「CAREシステム」の映像をジュリーが確認することで、より厳格に審判の判定をチェックできるようになった。

 

ジュリー制度とビデオ判定の弊害

ビデオ判定を協議する

ここまでご紹介したジュリー制度とビデオ判定システムの導入で、公平なチェック体制が整ったかのように見えるが、新たな問題が浮上する。

それは、ジュリーが恣意的な指示をした場合でも、審判はそれに従わざるを得ないということだ。

審判から見れば、第三者の立場で、さらにビデオもチェックしているジュリーの指示は正確に思われる。
しかし、ビデオ判定の導入後、ジュリーが審判の判定に介入するケースが増加し、明らかにジュリーの恣意的な判定だと分かるようなケースも現れるなど、判定に関しての問題が解消されていないことが明らかになる。

2016年に新ルールの導入

2013年より、それまでの畳上での旗判定を廃止して副審2人もジュリーと共にビデオチェックを行う新ルールが試験導入。

そして、この新ルールはリオオリンピックが開催された2016年に正式導入された。

しかし、ジュリーが審判の判定に介入できるとされる例外的なケースへの具体的な言及がされないままの状態となっている。
とはいえ、これまで日本選手もたびたび涙を流した「審判が試合会場を離れてからは判定を覆すことはできない」というルールは、明らかにミスだと分かるケースのみ判定の訂正が認められるようになったことは、すべての柔道選手にとって明るい知らせとなった。

まとめ

普通に柔道の試合を観戦していると畳の上で戦う選手に注目が集まるが、畳の外では複雑なジュリー制度があるということに気が付く。

これまでの歴史を振り返ると、公平な判定システムが整ってきていることが分かる。2審もビデオ判定ができるなど、一審判の視野と客観性にのみ頼ることなく判定されれば、国際ルールでわかりにくくなっている試合も少しは納得して見ることができるのではないだろうか。。

しかし、国内外のまだ審判の違いがある??

 

■少年柔道の誤審の教育的な指導について(指導者講習会にて)

ひと昔は、審判の誤審で勝敗が違った選手やチームが多かったです。

強いチームは審判員によって団体戦の勝敗の雰囲気が大きく左右することも多々ありました??

1894年(明治27年)5月20日講道館大道場落成式が行われました。

講道館柔道の創始者、嘉納治五郎師範は少年時代から身体が弱くなんとか強くなりたいと柔術を修行しました。
はじめ天神真楊流柔術を、続いて起倒流柔術を学び、それぞれ奥義に達しましたが、他の流派にも興味をもち、研究に打ち込み、諸流のよさをとりいれ、さらに自らの創意と工夫を加えた技術体系を確立するとともに、理論面でも柔術の「柔よく剛を制す」の柔の理から「心身の力を最も有効に使用する」原理へと発展させ、新しい時代にふさわしい技術と理論を組み立てました。

富士見町時代の講道館

嘉納師範はこの原理を「精力善用」の標語で示し、これこそ柔道技術に一貫する原理であるとともに、社会生活すべてに於ても欠くことのできない重要な原理であることを明らかにしました。
そしてこの原理を実生活に生かすことによって、人間と社会の進歩と発展に貢献すること、すなわち「自他共栄」をその修行目的としなければならないと教えました。
主とするところは「術」ではなくこの原理と目的により自己完成をめざす「道」であるとして、術から道へと名をあらため、その道を講ずるところという意味で名づけられたのが「講道館」が誕生しました。

 

私は、この原理の「精力善用」から生まれた心技体の【柔道】の審判員の誤審で勝敗が間違った結果あれば選手(生徒たち)へ指導者として誤審(ミスジャッジ)を合意後認め試合者やチームへの説明を促して理解を得て試合再開が前提だと思います。

近年、様々なスポーツ競技責任者や監督さんが、試合審判に対して【リクエストする平等性】することで誤審防止や意識改善のために正しいルール規定が多々あります。

試合進行中であっても試合を中断して正しい審判を導く審判員自身の誤審判定訂正が出来る試合規定のシステム化(最終的には人間の目で確認)が必要であり人間教育を前提とした少年柔道の教育的なメッセージが今後の柔道界に必要な時期かなと感じます。

 

【但し、選手たちへ試合の勝敗が審判員による誤審を与えるような試合結果であることを選手たち自身が感じ心技体の未熟さを感じさせる試合場であり最も人間形成の成長を促す重要な学びの境界線である。】

【審判員を恨むではなく選手自身の成長と反省を植え付けことが魅力ある人間形成として教育的なアドバイスになろうと思います。】

 

最後に、審判員は相対する者同士への誤審防止の更なる強い思いと、柔道指導者としての審判技能を向上に努め責任の重さを再確認し、その立場を自覚した上で審判員に努め、さらに指導者の倫理感を踏まえつつ互いの立ち位置を誤らず試合進行に導くことが、柔道指導者として重要な筋道であろうと考えます。

子供たちには、【柔道やってて良かった】と言われたいです。

 

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